聖ロザリオの祈りとは……
聖ロザリオの祈りとは、「アヴェ・マリアの祈り(天使祝詞)」を数えながら、福音書の中に記されているキリストの主な出来事を黙想していくお祈りです。
玉で数えていくという形は、かなり古くからあったようです。ロザリオという言葉は、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語からきたものと言われていますが、ラテン語ではロザリウムといい、それは“バラの冠”という意味をもっています。珠をくりながら唱える祈りが、ちょうど“バラ”の花輪を編むようなかたちになるからです。
ロザリオには、いろいろな形、数え方がありましたが、今のような形にまとめ、広めることに貢献したのは、ドミニコ会の創立者ドミニコ(1170~1221)です。ドミニコ会のロザリオが広く普及した理由の一つは「アヴェ・マリアの祈り」の祈りに黙想を加え合わせたことにあります。
最初のころは、今のような15玄義ではなく、マリアの主な5つの喜びの黙想だけでした。しだいに、苦しみの玄義と栄えの玄義が加わることによって、ロザリオの祈りが、誕生からはじまって、受難、復活、昇天という救い主イエスの神秘の全生涯を包括する黙想の形をとり、それによって、マリアに対する愛と信心ということから、救い主としてのキリストに対する信仰を深めるための、素朴でだれでも近づきやすい方法の一つとして、愛されるお祈りとなりました。
ロザリオの祈りが10月7日を祝日としている教会暦にさだめられるようになったのは、1571年10月、キリスト教徒が、ロザリオの祈りによってトルコ軍に勝利を得たという記念によります。教皇ピオ5世による教会暦の祝福としての制定が、さらにロザリオの祈りを全教会的なものに高めていくきっかけになりました。
ロザリオの祈りはキリストの生涯を黙想しながら、聖母マリアの取り次ぎによって、私たちの救いと世界平和の恵みを求めるためにふさわしい祈りです。
2002年10月16日、教皇ヨハネ・パウロ2世は、『使徒的書簡 おとめマリアのロザリオ』を発表し、それによって、伝統的信心業であるロザリオは、キリスト教的祈りの中でもっとも優れたものとして、現代における様々な危機の破壊的力と戦うため、その実践を強く勧められました。これに伴い、今まで15の神秘を黙想しながら唱えていたロザリオの祈りに「光の神秘」を加えられました。
ロザリオの祈りの唱え方
“ロザリオ”を使って祈ります。
15玄義は、喜びの玄義、苦しみの玄義、栄えの玄義の3環で、1環は5連からなっています。
1連ごとに、まず玄義をとなえ、次に「主の祈り」を1回、「アヴェ・マリアの祈り」を10回、栄唱を1回、ファチイマの祈りを1回唱えます。
主の祈り Shu no inori
天におられるわたしたちの父よ、
み名が聖とされますように、
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、
悪からお救いください。
アーメン
アヴェ・マリアの祈り
アヴェ・マリア
アヴェ、マリア、
恵みに満ちた方、
主はあなたとともにおられます。
あなたは女のうちで祝福され、
ご胎内の御子イエスも祝福されています。 神の母、聖マリア、
わたしたち罪びとのために、
今も、死を迎える時も、お祈りください。アーメン。
天使祝詞
めでたし、聖寵みち満てるマリア、
主、御身とともにまします。
御身は女の内にて祝せられ、ご胎内の御子イエスも祝せられたもう。
天主の御母聖マリア、
罪びとなるわれらのために、今も臨終のときも祈りたまえ。アーメン。
栄唱
栄光は父と子と聖霊に。
初めのように今もいつも世々に。アーメン。
伝統的な栄唱
願わくは、父と子と聖霊とに栄えあらんことを。
初めにありしごとく、今も、いつも、世々に至るまで、アーメン。
ファチイマの祈り
文語
ああ、イエズスよ、我らの罪を許し給え。我らを地獄の火より守り給え。
また、すべての霊魂、特に主の御憐れみをもっとも必要とする霊魂を天国に導き給え
口語
主イエス・キリスト、わたしたちの罪をおゆるしください。
わたしたちを滅びから救い、すべての人々、ことに御憐れみをもっとも必要としている人々を天国に導いてください。
アーメン。
山本襄治神父のロザリオの祈り
一日に一環を唱えるときは、下記のように提案されています。
喜びの神秘:月曜日、土曜日
苦しみの神秘:火曜日、金曜日
光の神秘:木曜日
栄えの神秘:日曜日、水曜日
ロザリオの祈り「喜びの神秘」を、ご一緒に唱えましょう。
+父と子と聖霊のみ名によって。アーメン。
ロザリオの祈りは、まず、マリアと一緒に救いの神秘を思いめぐらすことから始まります。その神秘が少しでもよく分かるように、マリアに教えを請うのです。そのうちに、自分や他人に必要な恵みに気がつきます。今度は、その恵みが与えられるように、マリアの取り次ぎによって祈るのです。マリアは母として、いつも救いの実現のためにキリストとともに働かれます。知らず知らず、わたしたちもその協力の中に入って行くのです。
第1の神秘 お告げ
ルカ1章26~38節
天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を生むが、その子をイエスと名付けなさい。」
黙想:
神はおん子を救い主として遣わすにあたって、マリアが母親になるようにと、協力をお求めになりました。驚いたマリアに天使は親切に説明しました。これは神のみわざです、「神にできないことは何一つありません。」確かに神のみわざなのだと分かりました。神がお望みならば、拒むことはできません。マリアは「はい」と答えました。神はわたしたちにも、時々協力をお求めになります。そのときはマリアのように答えましょう。
主の祈り アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱 (1回)1ファチイマの祈り
第2の神秘 ご訪問
ルカ1章39~56節
マリアは、急いで山里に向かい、ザカリアの家に入ってエリザベトに挨拶した。マリアは、三か月ほどエリザベトのところに滞在した。
黙想:
年をとった親戚エリザベトが子どもを授かりました。ともに祝い、必要な手伝いをしようと、マリアはすぐに出発しました。およそ100キロの旅です。喜ぶ人とともに喜び、悲しむ人を慰め、困った人には救いの手を差し伸べる。イエスのように、マリアも、仕えられるためではなく、仕えるためにおられるのです。そんな心をわたしたちにも与えてください。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第3の神秘 ご降誕
ルカ2章1~21節
皇帝から全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
黙想:
やっとの思いで着いたベツレヘムでは、宿屋に場所がありませんでした。でも、そんなことでくじけることはありません。布にくるまれて、飼い葉桶に寝かされたイエスと、救い主の誕生を、天使たちが知らせ、羊飼いたちがそれを聞いて拝みに来ました。星を見て「王」の誕生を知った東の国の博士たちは、星に導かれてお祝いの品を持って訪ねて来ました。わたしたちも、救いの呼びかけを聞き漏らしたり、時のしるしを見逃したりしないように、お恵みを願いましょう。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第4の神秘 ご奉献
ルカ2章22~38節
モーセの律法に定められた彼らの清めの期間が過ぎたとき、両親はその子を主に献げるため、エルサレムに連れて行った。
黙想:
律法の掟に従って、イエスは神殿にささげられました。救い主という、神の最高の賜物をいただいたことへの感謝です。イエスを神におささげしたマリアとヨセフ、まだものの言えない幼子イエスの3人は、心の中で、「み旨を行うために来ました」と静かに唱えておられたに違いありません。年の初めや月の初めなどに、わたしたちも同じような心で自分を神にささげましょう。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第5の神秘 神殿での少年イエス
ルカ2章41~52節
両親は過越祭には毎年エルサレムへ旅をした。イエスが十二歳になったときも、都に上った。祭りの期間が終わって帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。
黙想:
大切にしていたイエスが3日間も行方不明になりました。いつもはヨセフかマリアのどちらかと必ず一緒に行動していたイエスなのに。考えてみれば、神の子が、いつも一緒にいてくださることは当然のことではないのです。いつもいただいているお恵みに慣れっこにならないように気をつけましょう。そして、いつもイエスが喜んで一緒にいてくださるように、毎日の生活を整えましょう。
主の祈り アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱 (1回)1ファチイマの祈り
光の神秘
ロザリオの祈り「光の神秘」を、ご一緒に唱えましょう。
+父と子と聖霊のみ名によって。アーメン。
「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇を歩かず、命の光を持つ。」(ヨハネ 8.12 )あるとき、イエスはこう言われました。しかし、人々はその光を認めず、受け入れませんでした。「その行いが悪いので、光よりも闇の方を好んだ。……悪を行う者は皆、光を憎み、その行いが明るみに出されるのを恐れて、光の方に来ないからである。しかし、真理を行う者は光の方に来る」(ヨハネ 3.19~21)のです。イエスの生涯には、ぽっと明るく光る出来事があります。神が、イエスが光であることを気づかせてくださるのです。そのことを黙想しながら、光に向かって歩みましょう。
使徒信条 主の祈り アヴェ・マリアの祈り(3回) 栄唱
第1の神秘 イエスの洗礼
マルコ1章9~11節
イエスはガリラヤのナザレから来て、ヨルダン川でヨハネから洗礼を受けられた。水の中から上がるとすぐ、天が開けて“霊”が鳩のように御自分に降って来るのを、御覧になった。すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。
黙想:
ヨルダン川で、洗礼者ヨハネが洗礼を授けていました。罪の赦しと悔い改めの洗礼を受ける群衆に混じって、イエスは人に知られずに洗礼を受けました。「あなた方の中に、あなたがたの知らない方がおられる。その方は聖霊で洗礼をお授けになる」とヨハネは言いました。水から上がられたイエスが「その方である」と、“霊”があかしをしました。そして、ヨハネは、イエスが「世の罪を取り除く神の小羊」であることを知ったのです。
主の祈り アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱 (1回)1ファチイマの祈り
第2の神秘 カナの婚礼で水をぶどう酒に変える
ヨハネ2章1~5節
ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。ぶどう酒が足りなくなったので、母がイエスに「ぶどう酒がなくなりました」と言った。イエスは母に言われた。「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。
黙想:
婚礼の宴会でぶどう酒がなくなりました。それにいち早く気づいたマリアは、「この場を救えるのは、イエスだけだ」と思い、躊躇(ちゅうちょ)なく、イエスに急を告げました。「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。」冷たく響く答えにも、マリアは動じませんでした。イエスが一番大切にしていたのは、父のみ旨と定めのときだと、マリアは知っていたからです。しかし、マリアは、イエスは救い主なのだから、きっと救いの手を差し伸べてくださるに違いないと、強く信じていました。だから召使いに言われたのです。「何でもこの人の言うとおりにしてください」と。この信仰と信頼を願いましょう。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第3の神秘 イエスの宣教のはじめ
マルコ1章14~15節
ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。
黙想:
イエスの洗礼、荒れ野での40日間の誘惑のあと、大きな事件が起こりました。領主ヘロデの不倫をいさめた洗礼者ヨハネを、怒った領主が逮捕、投獄したのです。ヨハネの活動が終わりました。しかし、それはイエスに対する宣教活動開始の合図でもあったのです。神の子が、神の国が近づいたことを語るときが来たのです。神の国、それは、人類の主はただ創造主である神だけであること、だから、人類と宇宙のすべてが、その神の思し召しのとおりに動かなければならないことを求めています。そのためには、人々が、自己中心的な生活を捨て、神のみ旨に徹底的に従う回心が必要です。イエスは、その回心と福音を信じることを求めました。その回心と信仰を祈りましょう。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第4の神秘 イエスの変容
ルカ9章28~31節
この話をしてから八日ほどたったとき、イエスはペトロ、ヨハネ、およびヤコブを連れて、祈るために山に登られた。祈っておられるうちに、イエスの顔の様子が変わり、服は真っ白に輝いた。見ると二人の人がイエスと語り合っていた。モーセとエリアである。二人は栄光に包まれて現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について話していた。
黙想:
「あなたはメシア、生ける神の子です」とペトロが信仰告白をしたあと、イエスは、「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、3日の後に復活することになっている」と教え始められました。これを聞いてペトロはイエスをいさめましたが、「サタン引き下がれ。あなたは神のことを思わず、人間のことを思っている」とイエスに厳しく叱責されました。受難と死ではイエスの弱さ、無力だけが目立ちますが、神の栄光と力は、地上の生活、受難と死においては、無いのではなく、隠されており、復活のとき、それはいっぱいに輝くことを、イエスは教えてくださったのです。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第5の神秘 最後の晩餐での聖体の秘跡の制定
コリント1 11章23~26節
主イエスは、引き渡される夜、パンを取り感謝の祈りをささげてそれを裂き、「 これはあなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。また、食事の後で、杯も同じようにして、「この杯は. わたしの血によって立てられる新しい契約である。飲む度に、わたしの記念 としてこのように行いなさい」と言われました。
黙想:
「さて、過越祭の前のことである。イエスはこの世から父のもとへ移る御自分の時が来たことを悟り、世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれた」(ヨハネ13.1)。そのとき、イエスは弟子たちの足を洗われました。それは奴隷の仕事です。その奴隷の奉仕の姿をとおして、イエスは、十字架の死の意味を示し、言葉でも教えてくださいました。「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。」(ヨハネ15.13-14)パンとぶどう酒は、その犠牲を祭壇上でささげる秘跡であり、また、その愛を実行するための力を与える糧でもあります。その大きな愛が与えられるように祈りましょう。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)
ファチイマの祈り
苦しみの神秘
ロザリオの祈り「苦しみの神秘」を、ご一緒に唱えましょう。
+父と子と聖霊のみ名によって。アーメン。
苦しみ、痛み、悲しみが好きな人はいません。だれでも、苦しみから逃げ、それを避けようとします。愛する人のためなら、犠牲は覚悟します。イエスは、十字架の死に向かって歩まれました。すべての人が、罪から解放され、救われるためです。イエスはわたしたちみんなを愛し、そのために自らを犠牲としておささげになったのです。十字架に向かうイエスの足跡をたどり、感謝の心で救いの恵みを受けましょう。
使徒信条 主の祈り アヴェ・マリアの祈り(3回) 栄唱
第1の神秘 ゲッセマネでの祈り
マタイ26章36~46節
イエスは弟子たちと一緒にゲツセマネという所に来て、祈って言われた。「父よ、できることなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの願いどおりではなく、御心のままに。」
黙想:
愛のために耐える苦しみでも、苦しみはやはり苦しいです。迫ってくる死を前にして、イエスも、苦しみの杯を飲まずにすませたいと父に祈られました。全身が「いやだ」と言っています。しかし、イエスは心の底で父の望みを受け入れ、全人類の救いのために命をささげる決意をなさいました。わたしたちも、十字架の死にいたるまで従われたイエスとともに歩む勇気と力を祈りましょう。
主の祈り アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱 (1回)1ファチイマの祈り
第2の神秘 鞭打ち
ルカ23章13~25節
ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、言った。「この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。
黙想:
ピラトは、ローマ総督なのだから、堂々とイエスの無罪を宣言し、釈放してしまえばよかったのです。しかし、ピラトは自分からそうするつもりはなかったのです。大祭司たちが訴えを取り下げることをひそかに望んでいたからです。わたしたちも、誘惑を断固として退けられないでいることがあります。イエスの苦しみを黙想することによって、わたしたちが煮え切らない態度を捨てて、イエスに従う勇気をお与えください。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第3の神秘 茨(いばら)の冠
マタイ27章27~30節
総督の兵士たちは、イエスの着ている物をはぎ取り、赤い外套を着せ、茨で冠を編んで頭に載せ、また、右手に葦の棒を持たせて、その前にひざまずき、「ユダヤ人の王、万歳」と言って、侮辱した。
黙想:
ローマ軍の兵士たちは、イエスを囲んで「王さま遊び」を始めました。「ユダヤ人の王だ」と言うのか、「それなら冠だ」と言って茨の冠をかぶせ、イエスを侮辱したのです。何日かまえに、ホザンナ、万歳と言ってイエスのエルサレム入場を迎えた人々はどこへ行ってしまったのでしょうか。イエスさま、わたしたちを富、権力、快楽の支配から解放し、本当にあなたに仕える者としてください。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第4の神秘 十字架の道
ヨハネ19章17節、ルカ23章26~33節
イエスは自ら、十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。
黙想:
徹夜の取調べといじめで衰弱しておられたイエスは、重い十字架を背負って、ゴルゴタの丘をめざして歩まれました。キレネ人シモンが代わりに十字架を担がせられました。わたしたちも代わってあげたいと思います。しかし、あの十字架の重みはわたしたちの罪の重みなのです。イエスは言われました。「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負ってわたしに従いなさい。」そのための力を願いましょう。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第5の神秘 イエスの死
マルコ15章23~41節
イエスを十字架につけたのは、午前九時であった。三時にイエスは大声で叫ばれた。「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか。」
黙想:
十字架の上から、イエスはそこにいる人々をご覧になりました。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救え」とののしる祭司長や律法学者たちの姿が見えます。兵士や群衆もいました。そのとき、イエスは言われました。「父よ、彼らをお赦しください。自分で何をしているのか知らないのです。」イエスは、敵を赦し、その敵が救われるために命をおささげになりました。その後、「成し遂げられた」と言って、イエスは息を引き取られました。わたしたちも神の命に生きるために、己に死ぬことを教えてください。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
栄えの神秘
ロザリオの祈り「栄えの神秘」を、ご一緒に唱えましょう。
+父と子と聖霊のみ名によって。アーメン。
イエスの埋葬は、アリマテアのヨセフやニコデモも登場して心を込めて行われましたが、いかにも「その場しのぎ」でした。特にマグダラのマリアなどの女性たちは心残りだったでしょう。しかし、翌日は安息日でした。明けてすぐ、お墓に向かったのに、驚いたことに、イエスの遺体が消えていました。手掛かりが得られぬままに、お墓で泣いていたマグダラのマリアに、園丁としか見えなかった人が、「マリア」と呼びかけました。「先生だ。」マリアは弟子たちにそれを告げに走りました。その夕方、鍵のかかった部屋にイエスがどこからともなく入って来られ、「平和」とあいさつされました。亡くなったイエスは、新しい生き方でともにおられることをしめしてくださいました。どうかいつもわたしたちと一緒にいらしてください。
使徒信条 主の祈り アヴェ・マリアの祈り(3回) 栄唱
第1の神秘 イエスの復活
ルカ24章1~49節
婦人たちは、週の初めの日の明け方早く、墓に行った。輝く衣を着た二人がそばに現れた。二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。」
黙想:
安息日が明けた日、2人の弟子がエルサレムを後にしました。「あの方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていた」イエスが、亡くなってお先真っ暗になったのです。そこへ、見知らぬ旅人が追いついてきました。聖書の話をし、行き先エマオで、弟子たちの家に上がり、パンを取り、賛美の祈りを唱え、裂いて渡されました。復活したイエスだったのです。羊飼いのように、失われかけた弟子たちを探しにみえたのでした。
主の祈り アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱 (1回)1ファチイマの祈り
第2の神秘 ご昇天
使徒言行録1章4~11節
イエスは言われた。「聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられた。
黙想:
「オリーブ畑」山に集まった弟子たちに、「地の果てに至るまで、わたしの証人となる」ということばを残して、イエスは天に昇って行かれました。神である父の国、わたしたちの本国に行かれたのです。わたしたちの本国も天にあります。だから、「上にあるものに心を留め、地上のものに心を引かれないように」努めましょう。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第3の神秘 聖霊降臨
使徒言行録2章1~42節
五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると突然、激しい風が吹いて来るような音が天から響いた。そして、炎のような舌が一人一人の上にとどまった。
黙想:
昇天の前に、イエスは「父の約束されたものを待ちなさい」と言われました。それは五旬祭の日に実現しました。ガリラヤのことばで語る使徒たちの話を、集まった人々は自分の国語で聞いたのです。福音がことばの壁を超えたのです。新しい弁護者・真理の霊が派遣されました。イエスが話されたことをすべて思い起こさせ、真理をことごとく悟らせてくださる方です。どうか、わたしたちをいつも導いてください。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第4の神秘 マリアの被昇天
ルカ1章46~55節
マリアは言った。「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。主はその腕で力を振るい、権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げた。
黙想:
神のお告げで、救い主の誕生は始まりました。十字架のもとにたたずんだマリアは、イエスが命をささげる最後の瞬間に立ち合われたのです。救い主の歩みをはじめから、終わりまで、ともに歩まれたのです。復活したイエスは死に打ち勝って、天に昇って行かれました。天の父は、マリアもイエスと一緒に天に上げられることをお望みになり、それを実行されました。それがマリアの被昇天です。教会はその存在のはじめから、それを信じ、祝ってきました。天に上げられたマリアさま、わたしたちのためにいつもお祈りください。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
第5の神秘 天の元后マリア
黙示録12章1節
天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。
黙想:
あるとき、イエスは、「人の子は、栄光に輝いて、天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座につく」と言われました。キリストが王であるのは、イエスが十字架の死に至るまで、父に従い、その思(おぼ)し召しを果たし続けたからです。その王であるキリストには、最後まで一緒に歩んだ「道連れ」がありました。マリアです。イエスには王の栄光が与えられました。マリアには、王の「道連れ」にふさわしい「道連れ」としての栄光が与えられたのです。神の母マリアさま、いつもわたしたちを支え、導いてください。
主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)1ファチイマの祈り
朝の奉献
主よ
今日一日を
あなたの現存のうちに生きることを
わたしは願い求めます。
あなたの聖霊にみたされて
わたしの思いが、
あなたの聖いみこころにふれ
言葉も
おこないも
あなたの徳を反射するものとなりますように。
命の泉
霊感の源であるあなたから
あふれ出るものでありますように。